ママゴト。1

背の低い選手に昔からどうしても目がいってしまう。

 僕の永遠のスターはなんといってもディエゴ・マラドーナだ。そこから始まり、トーマス・ヘスラー、ホルヘ・カンポス、鈴木将方、前園真聖。野球にいくと、ダスティン・ペドロイア、ホセ・アルトゥーべ、だかしかしこちらの僕の永遠のスターは小坂誠だ(ラグビーとバスケットボールはあえて除外する。背の低いすばしこい選手ならではのポジションがあるスポーツだからだ)。彼らは一様に、背が低いハンディを己の鍛錬で補ってきた。

 そして今回。石川雅規だ。24年連続勝利投手という新記録を樹立した。変化球を低めに集め、遅い球だからと打ちにいくと内野ゴロ、かと思えば130km/hに届かない真っ直ぐを詰まらせてポップフライ。見事な投球だった。

  以前の自分は、曲の歌詞について、意味や背景など、ほとんど興味がなかった。古典の世界に本格的に入り込んでいくにつれ、その面白さにやっと気がついてきた。この日の石川の、打ち気にはやる打者心理を逆手に取る投球を見ていて、ふと、逆のことを考えた。いくら教えてもらっても、大事なことだと諭されても、自分が興味をもたない限り、それは血肉にならない。ひとたび興味をもってしまえば、どんなことも面白くなってしまう。もちろん万人に当てはまる、などとは思わない。自分とはそんな人間なんだ、と、石川を見ていて感じた。

お箏及び三絃を演奏するのに、背が高い低いはあまり関係がないかもしれない。手の大きさは、多分大きい方がいいのだろうと思う。石川雅規よ、おめでとう。そして、来年も再来年もその投球を見せて欲しい。いつまでも応援してます。同じく背が低く手の小さい人間からの、小さなエールでした。

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