新潮会定期演奏会

今回は「王昭君」演奏いたします。恥ずかしいですが、王昭君というお話を僕は知りませんでした。歌詞を読んで、尊敬する菊池節子さん(前回も今回もリサイタルで解説をお願いしております)から、また楽しく教えていただき、曲に対する思いが非常に深くなりました。今回のプログラムにメンバーで考えたあらすじを掲載しておりますが、紙面の都合でカットされていますので、僕が提案した全文をこちらに掲載します(後輩が自ら要約してくれました!仕事だから、勤めだからやる、というのではないその行動に感動しました)。

前漢末期、匈奴(胡の国)との和親のために匈奴の王呼韓邪単于に嫁し、その地で没した悲劇の宮女王昭君。漢王の後宮を出発し、国境付近まで護衛をしてきた漢の武将玄衡との別れの場面で、漢王から贈られた琵琶を奏でる、というあらすじです。
王昭君が入った後宮は、宮女が多くいたために絵師に肖像を描かせ、それによって寵愛する宮女を選んでいたので、宮女たちは争って絵師に賄賂を贈り美しく描くことを求めました。しかし王昭君だけが賄賂を贈らなかったため美しく描かれず、一度も漢王のお目通りは許されませんでした。そこへ、匈奴から和親のしるしに漢の宮女を妻にという所望があり、一番醜く描かれている王昭君が献ぜられることになりました。いよいよ出発の時、挨拶に参上した王昭君を見て、実は絶世の美女であるのを知った漢王は怒り、絵師達の不正を暴き、みな処刑してしまいましたが、王昭君は匈奴へと献上されてしまいました。
匈奴での王昭君は男子を一人産み、さらに単于亡き後当時の匈奴の慣習に従って単于の正妻との間に産まれた息子と再婚し、女子を二人産んでいます。

あらずじはこんな感じです。考えや思いがここからいろいろあるわけなのですが、それは報告で。この曲の三味線の役割は、全体を全て把握して演奏すること。踊りの会におけるタテ三味線とまるっきり同じだと思います。自分にその大役が務まるか。そして、実際にモンゴルの、カラッカラに乾いた、凸凹だらけの、ほぼ土と石と、「草原」とは名ばかりなほど少ない草が延々と続く「草原」を見た人間として。あそこへ嫁いで行く昭君を皆で表せたらいいな、と思います。

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